ISO14001の取得活動序盤に行う作業の一つに、「環境側面の特定」と「著しい環境側面の決定」があります。

環境側面とは、環境に影響を与える活動や作業のことを言います。

例えば、社用車を使って得意先を回る場合を考えてみましょう。燃料を使うので、「天然資源の消費」という意味で環境に影響を及ぼします。排ガスを発生するので、「大気汚染」という点で環境に影響を及ぼします。つまり、「社用車の使用」は環境側面ということになります。

同じ車両でも、「重機の使用」となると、「騒音・振動の発生」という環境影響が追加されます。「重機の使用」もやはり環境側面です。

環境に悪影響を及ぼすものだけでなく、有益な活動も含まれます。先の社用車の例でいえば、エコカーを導入すれば、燃料の消費も排ガスの発生量も抑えられます。「エコカーの導入」も立派な環境側面です。

このように、社内のさまざまな活動や業務を振り返って環境側面を洗い出(特定)します。

そして、それら数ある環境側面の中から、特に環境へのインパクトが大きい「著しい環境側面」を選択(決定)します。

「著しい環境側面」は、いくつ選んでも結構です。選び方も自社で自由に決めて構いません。

ところが、この「著しい環境側面」の選び方なのですが、判で押したように(ほぼ)どちらの会社さんも同じやり方をしています。

数式を使って点数化するというやり方です。

やってみるとわかりますが、点数を決める際の評価基準の設定が難しいのです。
基準を細かくすると、該当しない環境側面が出てきます。基準を大まかにすると、評価者による点数のバラツキが大きくなります。2つの環境側面を比較して、「どう考えてもこちらの方が環境への影響が大きいだろう…」、つまり点数の逆転現象が起きたりもします。

前回の記事同様、わざわざ点数化する必要はないのです。皆さんでワイワイ、ガヤガヤ、話し合って決めればよいです。

数ある環境側面一つ一つについて皆で話し合うほうが面倒で時間がかかるのではないか?

いえいえ、ちょっとしたコツがあるんですよ。そのコツをおさえれば、案外簡単に「著しい環境側面」が決まります。皆さんすっきりした顔で帰られます。

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