ISO9001に、“製品について以下を明確にせよ”という要求事項があります。

“顧客が明示していないが、指定された用途又は意図された用途が既知である場合、それらの用途に応じた要求事項”

「製品の用途がわかりきっているので、お客様はあえて口にしないが、その用途を考えれば、当然満たしていなければいけない条件」

といった意味です。

コンサルの現場でこれを説明すると、必ず「なぜ、わかりきったことをわざわざ明確にしなければいけないの? 」と質問されます。

先日、関越道で衝突事故を起こした貸し切りバスで考えてみましょう。

「お客様はあえて言いませんが、バスツアーの目的が楽しく快適な旅行であることを考えれば、当然、満たしていなければいけない条件」

イコール 「安全に目的地まで輸送する」となります。

内容や価格のことばかりに気をとられるのではなく、その製品やサービスの根源となる要素を見逃してはいけないという戒めです。

事故の犠牲者のご冥福を心からお祈りします。