仕事柄、よく、環境、環境って言ってますけど、正式な意味を調べたことはありませんでした。

そこで、手元にある辞書をひも解いてみると…

大辞林より、『環境』
“取り囲んでいる周りの世界。人間や生物の周囲にあって、意識や行動の面でそれらと何らかの相互作用を及ぼし合うもの。また、その外界の状態。”

…………………
……………
う~んっ
……

これなら、ISOの方がわかりやすい。

ISO14001「用語及び定義」より、『環境』
“大気、水、土地、天然資源、植物、動物、人及びそれらの相互関係を含む、組織(自社)の活動をとりまくもの”

難解だと悪名の高いISO用語ですが、この言葉に限っては辞書よりも具体的ですね。

ISO14001では、“環境側面の特定”が求められます。

環境側面っていう言葉も、全然日本語らしくないですが、要は環境に影響を与える行為(作業、業務)ぐらいの認識で結構です。

たとえば、シャンプーで頭をゴシゴシしてるときにシャワーを止めれば、
水の節約になりますが、ずーっと流し放しだと浪費になります。

ですから、環境に影響を与える行為といっても、環境に良いこともあれば、悪いこともあるわけです。

ISO14001の取得の際には、どうしてもこの悪い環境側面ばかりに目が行ってしまいがちです。

審査のときに、「プラスの(良い)環境側面も、探してみてくださいね」などと指摘されて、オロオロしてしまいます。

でも、真剣に考えると、このプラスの(良い)環境側面というのが、なかなか出てこない…。

そこで、先ほどの、ISO14001「環境」の定義に戻ってみると、ありました、ありました、あるじゃないですか。大気、水から始まって、最後にあるじゃないですか。

そう、”人”です。

ヒトに良い影響を与えることも、プラスの環境側面なのです。

会社の中で、ヒトに好影響を与えることって、何だろう?と考えてみると…

○オフィスでの嫌煙・禁煙運動キャンペーン
(社員の健康第一、大気も汚れない)

○社内親睦リクレーション
(若い社員さんにとっては、悪い環境側面かも…)

○BGMにクラシック音楽を流す
(生産性の向上・職場の軋轢軽減?)

とまあ、冗談半分でも、これ位簡単に上がってきます。

プラスの環境側面の抽出に頭を悩めている会社さんは、“人”に焦点をあててみてください。

ただ、ここで勘違いしてしまうと、

地域のゴミ拾いや植樹イベント、カブトムシの幼虫やメダカの稚魚を小学校に配布するなど、ボランティア活動ばかりになってしまいます。

大方の会社さんは、しばらくすると、こんなことばかりで疲れてしまいます。

「ボランティアやるためにISOを取ったんじゃない!」と悲鳴が聞こえてきます。(決して否定はしませんが…)

こんなことにならないように、まずは外部は外部でも、社内に入ってくる外部者に目を向けてください。

例えば、

・堂調理の業務委託をしている業者さんに対して、節電や節水を呼びかけたり、
・工場の敷地内にある売店に対して、ゴミの分別をしっかりやらせたり、
・出入りの業者の車両に対して、アイドリング・ストップをお願いしたり、

相手の事情もあるので、完全には徹底はできないかもしれませんが、少しでも効果がありそうなことで結構です。

また、

・環境ビジネスをやられている会社さんであれば、エコ商品をお客様に勧める
・清掃サービスなら、お客様に日々の清掃方法の指導する
・私のような商売なら、お客様にIS014001の取得をお勧めする

といった普段やっている営業活動が、そのまま『影響を及ぼすことができる環境側面』になります。

環境ビジネスで、ISO14001の仕組みを構築すると、営業管理システムになるのはこのためです。

とにかく、あまり新しいことには手を付けずに、自社と顧客、出入り取引業者との関係を、もう一度見直してみてください。

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