ISO45001:2018「4.2 働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解」の解説

ISO45001:2018 4.2 働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解

組織は、次の事項を決定しなければならない。
a)働く人に加えて,労働安全衛生マネジメントシステムに関連するその他の利害関係者
b)働く人及びその他の利害関係者の、関連するニーズ及び期待(すなわち、要求事項)
c)それらのニーズ及び期待のうち、いずれが法的要求事項及びその他の要求事項であり、又は要求事項になる可能性があるか。

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解 説

4.1同様、旧OHSAS18001にはない新設の要求事項です。

“働く人”には、自社の従業員はもちろん、自社の工場や作業現場で働く協力会社の従業員も含まれます。

“労働安全衛生マネジメントシステムに関連する利害関係者”には、地域住民、行政、株主、金融機関、顧客、所属業界団体といった人たちが該当すると考えられます。

どの立場の人たちまでを利害関係者に含めるか、彼らが自社に寄せる“ニーズ及び期待”の大きさや重要性を勘案して決めればよいと思います。

“ニーズ及び期待”には、順守義務(法規範等)があるものと、順守するかしないかを自社が決めてよいものの2種類があります。c)は前者であり、「6.1.3 順守義務」で管理方法を決めます。

我が社が事業活動を継続し、存続・発展していけるのも、従業員や上記の利害関係者との良好な関係があるがゆえです。

ですから、労働安全衛生マネジメントシステムを作る際には、自社の都合や勝手な判断、思い込みに基づくのではなく、彼らが我が社に寄せる“ニーズ・期待”を考慮するよう求めているのです。

ISO45001取得/移行のポイント

【必要な仕組み・ルール】
・自社で働く人たちには、どんな人がいるのか?
・労安衛マネジメントシステムの利害関係者には、どんな人たち(団体)がいるのか?
・彼らが、自社に能力寄せるニーズ・期待には、どんなものがあるのか?
・それらニーズ・期待のうち、自社が絶対に守らなければならないことは何なのか?

を答えられるようにしておきましょう。口頭で答えても結構ですが、人によって答えがまちまちなのも、「組織としてニーズ・期待をきちんと把握できているの?」という話にもなりかねません。紙に書いておいたほうが便利でしょう。
 

【労働安全衛生マニュアルの記載例】

“当社における「働く人」とは、当社従業員、当社の作業現場で働く協力会社従業員、当社の作業現場に出入りする仕入先従業員である。”

“労働安全衛生委員会は、毎年4月に、労安衛上の利害関係者のニーズ・期待を「安全スローガン」にとりまとめ、全社員に発表する。”

“当社は、それらニーズ・期待のうち、順守義務のあるものを、6.1.3項に従って管理する。”

 
といった文言をどこかに書いておきましょう。(あくまでも一例です。)

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