次の3つのステップに沿って取得活動を進めていきます。

1.ISO22000/食品安全マネジメントシステムの構築

まずは、食品を扱う前提条件として守らなければならないルールを管理手順書にまとめます。「食品と食品原材料を分別する」「衛生的な方法で廃棄物を処理する」「病気やケガの者に食品の取り扱いをさせない」といった基本的なルールが中心です。

次に、原材料の受け入れから製品の出荷まで、どの工程にどのような危害(ハザード)が存在するかを洗い出します。「病原菌の増殖」「洗浄剤や殺菌剤の残留」「金属やガラス、石などの異物混入」といったものがハザードの代表例です。

危害を洗い出したら、それらの危険度(危険の大きさ)を評価します。危害が発生する可能性や実際に発生した際の健康被害を考慮に入れます。危険度が高い危害については、食品の安全が保たれる許容水準まで危険度が低減されるよう管理手段を決めます。

以上のことを含め、ISO22000では100個以上のルールがありますので、それらを御社の仕事の中に組み込む作業が必要です。

ISO22000は、もともと英語で作成されています。

実際に作業を進める際には、それを日本語に直したものを読むことから始めますが、これがなかなかクセ者です。

日本語に直したときに、本来の意味が変わってしまうことを防ぐために、極力英語の構文の形のままで和訳しています。

したがって、初めて読む方は、日本語でありながら、宇宙人が書いた本を読んでいる気持ちになります。

国際規格が難解だと言われる所以です。

ISO22000の意図をしっかり把握した上で、自社でどのようにルールを守って、食品安全活動を推進していくかを、マニュアルや管理手順書、記録様式といった文書に落とし込んでいきます。

ここまでが、食品安全マネジメントシステムを構築する段階です。

2.ISO22000/食品安全マネジメントシステムの運用

食品安全マネジメントシステムが一通り出来上がったら、それに則って、実際に仕事を進めていきます。これをシステムを回すとか、運用すると言います

システムをある程度回して、実績ができたら、内部監査と呼ばれるセルフチェックを行います。自分たちで、システムがきちんと動いているかを調べることです。うまくいっていないところがあれば、改善します。

食品安全マネジメントシステムを一通り全て運用したら、システムを総括的に見直し、今後どのようにシステムを運用していくかを決定します。

ここまでくると、次は、いよいよ審査です。

3.ISO22000審査

審査を受けることを受審するといいます。

ISO22000では、審査が2回あります。

① 第1段階審査

1回目の審査は、御社で作成したマニュアルや手順書が、ISO22000で要求されていることを満たしているかをチェックします。

審査員が実際に御社に訪問して、色々と質問してきます。2回目の審査を受けるのに不足している点を指摘していきます。

② 第2段階審査

2回目の審査は、1回目の内容を踏まえた上で、今度は、そのマニュアルや手順書で定めたルールとおり、従業員の皆さんが仕事を進めているかを中心に審査を行います。

労働安全衛生上の大きな問題もなく、しっかりシステムが動いていることが確認できたら、晴れてISO22000の取得となります。

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