ISO22000:2018「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」の解説

ISO22000:2018 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

 組織が食品安全に関して適用される法令、規制及び顧客要求事項を満たす製品及びサービスを一貫して提供できる能力をもつことを確実にするために、組織は、次の事項を明確にしなければならない。

a) FSMSに密接に関連する利害関係者
b) FSMSに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項

組織は、利害関係者及びその要求事項に関する情報を特定し、レビューし、更新しなければならない。

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解 説

4.1同様、2005年版のISO22000にはない新設の要求事項です。

“FSMSに関連する利害関係者”とは、顧客、行政、仕入先や外注先等の協力会社、社員、所属業界団体、金融機関、株主などです。

どの立場の人たちまでを利害関係者に含めるかは、彼らから寄せられる「ニーズ及び期待(要求事項)」の大きさと重要性を勘案して決めればよいです。

4.1同様、「レビューし、更新しなければならない」とありますので、文書化しておかないと非常に不便です。

顧客や行政、協力会社等の要望は、一度明らかにしても、社会・経済情勢や経営環境によって変化していくものなので、定期的に確認するよう求めています。

ISO22000取得/移行のポイント

【必要な仕組み・ルール】
1.自社が製品やサービスを提供する上で、食品安全上、無視できない利害関係者を決める。
2.彼ら利害関係者が自社に要望することを説明できるようにしておく。
3.だれが、それらの要望に耳を傾け、いつ整理するのかを決めておく。

例えば、顧客の要望ですと、営業やサービス部門から上がってきた情報を担当役員が都度確認し、経営方針や経営計画を立てる際に、社長が全体を確認するといった流れが一般的でしょうかね。

【食品安全マニュアル記載例】
“当社のFSMSに関連する利害関係者は、顧客、関係官庁、協力会社、従業員である。”
“社長は、上記利害関係者が寄せる期待・ニーズ、そして当社がそれらにどう応えていくかを4月に配付する「中期経営計画」で明確にする。”

といった文言をどこかに書いておきましょう。(あくまでも一例です。自社の実情に合わせてやり方を考えましょう。)

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