ISO22000:2018「5.3 組織の役割、責任及び権限」の解説

ISO22000:2018 5.3 組織の役割、責任及び権限

5.3.1 トップマネジメントは、関連する役割に対して、責任及び権限が割り当てられ、組織内に伝達され、理解されることを確実にしなければならない。

 トップマネジメントは、次の事項に対して、責任及び権限を割り当てなければならない。
a) FSMSが、この規格の要求事項に適合することを確実にする。
b) FSMSのパフォーマンスをトップマネジメントに報告する。
c) 食品安全チーム及び食品安全チームリーダーを指名する。
d) 処置を開始し、文書化する明確な責任及び権限をもつ人を指名する。

5.3.2 食品安全チームリーダーは、次の点に責任をもたなければならない。
a) FSMSが確立され、実施され、維持され、また更新されることを確実にする。
b) 食品安全チームを管理し、その業務を取りまとめる。
c) 食品安全チームに対する関連する訓練及び力量(7.2参照)を確実にする。
d) FSMSの有効性及び適切性について、トップマネジメントに報告する。

5.3.3 全ての人々は、FSMSに関する問題をあらかじめ決められた人に報告する責任をもたなければならない。

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解 説

「~に対して、責任及び権限を割り当てる」とは、”~の担当者や責任者を決める”という意味です。

社内の主要な役職について、改めてその職責を明確にしておいてください。

小規模の会社さんでしたら、食品安全チームリーダーに、5.3.2のみならず、5.3.1 a)、b)、c)「食品安全チームの指名」、d)「処置を開始し、文書化する」の責任者をやってもらうのもよいでしょう。

「処置を開始し、文書化する」とは、食品安全上のトラブルが起きた際、被害拡大防止や再発防止の処置をとり、その結果を報告書等の記録に残すことを指します。

食品安全チームリーダーは、既存の管理職に任せても構いません。ただ、「報告する」とありますので、トップに進言できる地位の人物が望ましいです。

そして、責任だけではなく、しっかり“権限”(裁量権)も与えてください。管理職層をしっかりフォローするのがトップマネジメントの役目です。【 5.1.1 h)項参照】

5.3.3「FSMSに関する問題をあらかじめ決められた人に報告する」とは、食品安全上のトラブルが発生した際の連絡・報告ルートを決めて、従業員に徹底させるという意味です。

ISO22000取得/移行のポイント

【必要な仕組み・ルール】
  • 社内の主要な食品安全上の役割について、今一度、その職責を明確にする。
  • 5.3.1 a)~d)、5.3.2 a)~d)に責任者を割り当てる。
以上を従業員に周知させる。

【食品安全マニュアルの記載例】
“当社は、FSMSに関わる主要な役割について、付表○○「組織図」に明示する。”
“社長は、食品安全チームリーダーを任命し、下記を遂行させる。
a) …以下、省略”

省力した部分は、こちらからお問い合わせください。喜んでお答えします。

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