ISO9001:2015「5.2 品質方針」の解説【改訂3版】

ISO9001:2015 5.2 品質方針

5.2.1 品質方針の確立
トップマネジメントは、次の事項を満たす品質方針を確立し、レビューし、維持しなければならない。
a) 組織の目的及び状況に対して適切であり、組織の戦略的な方向性を支援する。
b) 品質目標の設定及びレビューのための枠組みを示す。
c) 適用される要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
d) 品質マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。

5.2.2 品質方針の伝達
品質方針は、次に示す事項を満たさなければならない。
a) 文書化した情報として利用可能な状態にされ、維持される。
b) 組織内に伝達され、理解され、適用される。
c) 必要に応じて、関連する利害関係者が入手可能である

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解 説

ネットで”品質方針”と検索すると、色々な会社さんの品質方針が出てきますので、一旦そういったものを確認してから、この解説をご覧いただくとわかりやすいかと思います。

「組織の目的」とは、一番簡単に言うと”業種”のことです。製造業なら製造業、建設業なら建設業、自社の業種や扱う製品・サービスに見合った品質方針を立てましょう。

「戦略的な方向性」とは、経営方針や経営戦略といったものです。経営戦略を実行する際のサポートになるような品質方針を立てましょう。

「品質目標の設定及びレビューのための枠組み」とあります。品質目標を立てたり、一度立てた品質目標を見直したりするときの指針・参考になるような品質方針を立てましょう。

「コミットメント」は、“宣言”するという意味です。“法律を守り、お客さんの要望をかなえますよ~”的な意味のことを、品質方針の中で宣言しておきましょう。

「品質マネジメントシステムの継続的改善」とは、“PDCAを回して、仕事や製品の品質レベルを段階的に向上させる”という意味です。やはり、そのような意味合いのことを、品質方針の中で声高らかにうたっておきましょう。

「文書化」とありますので、作った品質方針は紙に書いておきましょう。

品質方針は掲示するなり、配付するなり、社員の皆さんにお知らせした上で、自分の仕事の中で品質方針に沿った行動とは何なのかを理解させ、実際にその通りに行動させるようにしましょう。

品質方針を、4.2の利害関係者が知ろうと思えば、知り得る状態しておくことが必要です。会社案内やホームページ等への掲載が一般的なやり方です。

ISO9001取得のポイント

【必要な仕組み・ルール】
  • 5.2.1 a)~d)の条件を満たす品質方針を作る。
  • 作った品質方針は、紙で配る、ポスターで掲示する、品質マニュアルに掲載するなどして、社員に周知させる。
  • 会社案内やホームページ等にも掲載し、外部の人にもわかるようにしておく。

品質方針の端っこに、制定日を記入しておいてください。その後、品質方針の内容を変えたら、改定日も記入するようにしてくださいね。

【品質マニュアルの記載例】
“社長は、下記を満たす品質方針を制定する。毎年度末に、当社の経営方針や経営戦略に照らし合わせて、品質方針の内容が妥当かどうかを見直す。
a)…
b)…
以下、省略”

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