ISO14001:2015 5 リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
トップマネジメントは、次に示す事項によって、環境マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。
a) 環境マネジメントシステムの有効性に説明責任を負う。
b) 環境方針及び環境目的を確立し、それらが組織の戦略的な方向性及び組織の状況と両立することを確実にする。
c) 組織の事業プロセスへの環境マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。
d) 環境マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする。
e) 有効な環境マネジメント及び環境マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。
f) 環境マネジメントシステムがその意図した成果を達成することを確実にする。
g) 環境マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を指揮し、支援する。
h) 継続的改善を促進する。
i) その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう、管理層の役割を支援する。
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解 説
「トップマネジメント」は、環境マネジメントシステムにおける最高責任者のことです。社長もしくは役員クラスが適任でしょう。複数名でも構いません。工場単位で取得する際は工場長ということもあります。
トップマネジメントが環境マネジメントシステムに関与することが強く求められています。トップマネジメントの具体的な役割が列挙されています。
ちなみに、「~を確実にする」とは、“(トップマネジメントの責任の下)確実に~する体制が敷かれている”という意味で、必ずしもトップマネジメント自ら実施しなくても構いません。逆に、それ以外の項目はトップマネジメントの役目です。
a)に、「~説明責任を負う」とあります。審査では、この5.1項については、必ずトップマネジメントがインタビューを受けます。ISO14001を取得しようと思った理由、ISO14001で何を実現したいのかといった点は整理しておきましょう。
c)は、“自社の活動、仕事のやり方や業務フローに、ぴったりフィットする環境マネジメントシステムを構築してね”という意味です。他所のマニュアルを借りてきて、ちょちょいと直したようなマニュアルではいけません。
ISO14001取得のポイント
【必要な仕組み・ルール】
・トップマネジメントが、誰が担当するのか決めておきましょう。
・a)~i)をトップマネジメントの役割として、環境マニュアル等に明記しておきましょう。
実際のところ、審査では、審査員との世間話のような会話の中で、a)~i)を確認されますので、それほど構えて審査を受ける必要はありません。
【環境マニュアルの記載例】
“社長は、次の事項を実行することで、環境マネジメントシステムに対するリーダーシップを発揮し、最終責任を負う。
a)環境マネジメントシステムが効果を上げているかについて説明責任を果たす。
b)当社の状況(4.)及び経営戦略に合致する環境方針や環境目標を設定する体制を敷く。
c) 当社の業務や活動とISO14001で求められているルールのひも付けを行い、実際の業務とISOの業務が別々のものにならないような体制を敷く。
…(以下、省略)”
d)以降は、こちらからお問い合わせくだされば、喜んでお答えします。
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