ISO9001:2015「4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス」の解説 【改訂3版】

ISO9001:2015 4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス

4.4.1 組織は、この規格の要求事項に従って、必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む、品質マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、かつ、継続的に改善しなければならない。

組織は、品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織全体にわたる適用を決定しなければならない。

また、次の事項を実施しなければならない。
a) これらのプロセスに必要なインプット、及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確にする。
b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視、測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し、適用する。
d) これらのプロセスに必要な資源を明確にし、及びそれが利用できることを確実にする。
e) これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
f) 6.1の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
g) これらのプロセスを評価し、これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更を実施する。
h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。

4.4.2 組織は、必要な程度まで、次の事項を行わなければならない。
a) プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持する。
b) プロセスが計画どおりに実施されたと確信するための文書化した情報を保持する。>

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解 説

ISO9001には、プロセスアプローチという考え方が採用されています。

会社で行われている活動(生産、購買、販売といった企業活動)は、個々の「プロセス」(業務や作業)がつながって構成されているという考え方です。ワークフローが全社の業務に広がっているイメージです。

「インプット」とは、「プロセス」を実施するのに必要な準備物(資源や情報)のことです。「アウトプット」は、「プロセス」を実施して得られる成果物(目的物)のことを言います。

平たく言いますと、「設計」というプロセスのインプットは「顧客要求(要件定義)」、アウトプットは「設計図書」になります。同様に「製造」というプロセスのインプットは「原材料」、アウトプットは「製品」ということになります。

「責任と権限を割り当てる」とは、平たく言いますと、「担当者や責任者を決める」という意味です。

最終段落、“文書化した情報の維持(maintain)”は文書の維持管理、“文書化した情報の保持(retain)”とは記録の保管管理の意味です。詳細は、「7.5 文書化した情報」で説明します。

ISO9001取得のポイント

【必要な仕組み・ルール】
自社のプロセスの概要を一望できる図表を用意しておきましょう。

ネットで“品質保証体系図”と検索すると、たくさんの事例が出てきます。それらを参考にするとよいでしょう。

あくまでもプロセスの概要が簡単に説明できればよいので、細かいものはいりませんよ。

【品質マニュアルの記載例】
“当社で行われる業務や作業を「品質保証体系図」に明記する。
また、次のa)~h)を本マニュアル中に明記する。
a) 業務や作業に必要な準備物と成果物
b) 業務や作業の順序やその関係
c) 業務や作業がうまくいったか確認するための検査やチェック項目
…(以下、省略)”

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