先日、事務所の書庫を整理していたら、10年以上も前の審査報告書が出てきました。
ISO9001の審査を受けたクライアントさんのもの。
掃除を忘れて、しばらく読みふけてしまいました。
その中に
「品質方針に、“品質マネジメントシステムの継続的改善”にコミットメントした証が確認できない。品質マネジメントシステムの継続的改善という言葉を入れること」
との指摘が挙げられており、思わず噴飯。
確かに、ISO9001には、「品質方針には、品質マネジメントシステムの継続的改善に関するコミットメントを含めなさい」というルールがあります。
だからといって、“品質マネジメントシステムの継続的改善”という文言を一言一句そのまま使わなければいけないわけではありません。
「仕事のやり方や仕組みを改善して、品質の安定や向上を図る」といった旨を、その会社さんなりの言葉で意思表明しておけばよいわけです。
今となっては笑い話ですが、ISO9001規格が94年版から00年版に切り替わってからしばらくは、規格の解釈が固まっておらず、とんちんかんな指摘事項があちこちでみられました。
さて、ISO9001は7年ぶりの改訂を来年(2015年)に控えています。
2015年版のISO9001では、「リスクマネジメント」に取り組む必要性がはっきり明示されました。
どの程度まで「リスクマネジメント」に取り組めば首を縦に振るのか、審査機関によって差が出てくることが予想されます。
15年前と同じ轍を踏まないことを願ってやみません。