全てのISO、マネジメントシステム規格には「責任と権限を定め、組織内に周知させなさい」という規定があります。
それで、おおかたのISO 取得企業は、責任・権限一覧表といった類の文書を用意します。
例えば、こんな感じです。
名 称 | 役職等 | 役割、責任及び権限 |
トップマネジメント | 社長 | ・当社の○○マネジメントシステムの最高責任者として、最終の責任と権限を有する。
・○○方針、○○目標、システムの有効性を評価し、○○マネジメントシステムの見直しを行う。 ・○○マネジメントシステムの実施及び管理に不可欠な人的資源、専門的な技能、技術及び資金等の資源を充当する責任を有する。 ・○○に関する緊急時の対応について決定をする。 |
○○管理 責任者 |
常務 | ・○○マネジメントシステムの確立と維持管理に対する責任と権限を有する。
・ISO事務局を運営し、○○マネジメントシステムのパフォーマンスや運営状況、及び改善提案を含め経営者に報告し、調整のうえ、各組織に必要な指示を行う責任と権限を有する。 ・RTS内部監査の実施と、その結果を経営者に報告し、見直しを求める責任と権限を有する。 ・経営者が不在の時、○○問題に関する緊急時の対応を決定する。 |
ISO事務局 | 総務部長 | ・○○管理責任者を補佐し、 ○○マネジメントシステムの確立と維持管理に関する支援をする。
・事務局会議を開催して、○○マネジメントシステムのパフォーマンスや運営状況を改善提案を○○管理責任者に報告し、調整のうえ、各組織に必要な情報を提供する。 |
部門長 | 部長 | ・○○に関する、自部門の運営管理をする責任と権限を有する。
・○○マニュアルの自部門に対する要求事項を、対象者に理解させ、確実に実施するとともに、自部門の○○目標管理活動の運営と目的・目標の達成に関する責任と権限を有する。 |
※ ○○は、ISO9001なら品質、ISO14001なら環境と読み替えてください。
この表ならまだマシですが、実際には役割と責任しか書かれていない「責任押しつけ一覧表」がたくさんあります。(笑)
だから、しっかり権限を明記してください。
権限とは、割り当てられた責任の範囲内で割り当てられた経営資源を使用する職務上の権利です。
「…上記の責任を果たすために、関連する部署及び要員に指示を行い、当該指示を履行させる権限を有する。また、当該部署及び要員は当該指示を順守する義務を有する」
ISOを社員にナメられないようにするための第一歩です。