以下を十分ご確認した上で、審査機関をお選びください。
審査機関は、ISO制度の元締めである認定機関の統制下にあります。
認定機関とは、ISOの国支部だとお考え下さい。IOC(国際オリンピック委員会)におけるJOC(日本オリンピック委員会)の位置づけに似ています。日本では、(財)日本適合性認定協会(通称:JAB)が担当しています。
この認定機関が、各審査機関にISOの審査をするお墨付きを与えています。ちなみに日本には、この認定を受けた正規の審査機関が50社前後あります。
(財)日本適合性認定協会認定の審査機関(マネジメントシステム認証機関)
コンサル会社を使う場合は、コンサルタントの方で御社に見合った審査機関をいくつかピックアップしてくれますので、特に事情がなければ、その中から選ぶとよいでしょう。
コンサルタントを使用しない場合は、以下をご参考ください。
1.審査サイクル
● 取得後の定期審査のサイクルは年1回か、年2回か?
Q7.でも述べましたが、ISOを取得して、それでめでたく終了というわけにはいきません。定期的に、少なくても年1回は審査を受けるルールになっています。
審査機関によっては、最初から年1回しか審査を実施しないところもあれば、取得後の最初の1年だけは、年2回(半年に1回)受審するきまりになっている等、様々です。
また、お客様企業の方で年1回か、年2回かを選択できるところもあります。
この点については、見積書では触れていない審査機関もありますので、よく注意して下さい。取得して初めて、次回の審査が半年後なのがわかったいう例もあります。
2.審査内容
● 自社の業界に通じた審査員を派遣してくれるか?
とは書いてみたものの、これは考慮に入れても仕方のないことかもしれません。
「ISOの審査結果は審査員によって違いがありますか?」で述べた通り、審査員によって審査の質にバラツキがあるのは、厳然たる事実です。
「ウチの業界に通じているから、おかしな審査はしてこないだろう」という思い込みは捨てたほうがいいです。
業界の慣習を打ち破って成長してほしいとの思いから、高い要求を突きつけてくる審査員もいます。(決して悪いことではないのですが…)
ある意味、出たとこ勝負だと割り切ってください。
また、審査に満足できなければ、次回以降の審査会社を変えることができますので、ご安心下さい。
● 審査工数(時間)はどれくらいか?
お金は支払っているものの、やはり審査は短時間で済む方が有り難いというのが受審企業さんの本音でしょう。
審査工数については、最低限の時間数が国際的なルールとして定められていますが、それ以上の時間をかけて審査を実施しても構わないことになっています。
したがって、審査機関によって審査時間にバラツキがあります。ひどい場合には、半日以上も違ってきます。
ちなみに、審査工数が「2.0人日」という場合は、一人の審査員が審査して丸2日かかるという意味で、場合によっては2人の審査員を派遣して1日で済ませてしまうこともあります。
そうなると、審査員の旅費や拘束費も2倍かかることになりますので、何人派遣するのかをしっかり確認するようにしましょう。
3.審査費用
その前に審査サイクルについて、もう少し詳しく説明します。
審査サイクルは、
取得時:初回登録審査
↓
1年後:第1回定期審査(サーベランス審査)
↓
2年後:第2回定期審査(サーベランス審査)
↓
3年後:第1回更新審査
↓
以後、このサイクルで定期審査と更新審査を繰り返す。
というのが一般的です。
定期審査は、運用状況の確認といった意味合いが強く、審査時間も費用も初回登録審査に比べれば少なくて済みます。更新審査は初回登録審査と同じくらいの時間と費用がかかります。
ここでクセ者なのが、これらの審査費用のバランスが、やはり審査機関によって異なるという点です。
最初の審査費用が安くて飛びついたものの、実はその後の審査料金が割高で、結局は高くついてしまう可能性もあります。
見積りを依頼するときは、初回審査だけでなく、定期審査や更新審査の見積りや、それぞれの審査にかかる旅費や拘束費についても見積りを取るようにしましょう。
それらを合算して3年間の総トータルで費用を考えてください。
2年後の定期審査、3年後の更新審査については、現時点での価格の場合が多いです。(将来的に値上げもあり得るという意味です)
初回は安い審査機関で登録を済ませ、それ以後はもっと安いところを探して審査機関を移行するという裏技もありますが、審査の質も十分考慮に入れて判断してください。
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