2015年版ISO9001への切り替え作業がひと段落ついたお客様が、ほっと溜息をつきながら一言。
「しばらく改訂ないよね?」

ISO9001やISO14001といったマネジメントシステム規格の改訂周期は原則5年です。

でも、これまで5年で改訂になったことはただの一度もありません。

ISO9001 : 1987年誕生 → 1994年改訂 → 2000年改訂 → 2008年改訂 → 2015年改訂
ISO14001 : 1996年誕生 → 2004年改訂 → 2015年改訂
ISO27001 : 2005年誕生 → 2013年改訂
OHSAS18001: 1999年誕生 → 2007年改訂 → 2017年改訂(ISO45001として発行される予定)

という具合です。

ただ、ここ数年(そして今後数年)にわたって、マネジメントシステム規格全般で、規格の上位構造を統一しようとする流れがあり、改訂が慌ただしくなっています。

文書・記録の管理、教育、内部監査、不適合管理・是正処置、マネジメントレビューといったマネジメントシステムを動かす部分を共通の章立て、要求事項にしようとする改訂の動きです。

これによって、複数のマネジメントシステム規格の導入が容易になり、運用の効率化が図られます。

■ これからのISOマネジメントシステムの概要(章立て)■
4 組織の状況
5 リーダーシツプ
6 計画
7 支援
8 運用
9 パフォーマンス評価
10 改善

すでに、先行して発行されたISO27001:2013(情報セキュリティ)、ISO39001:2012(道路交通安全)も同じ章立てになっています。

個々の要求事項もなるべく同じテンプレートを使うようになっています。例えば、

5 リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント

トップマネジメントは、次に示す事項によって、×××マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。

- ×××方針及び×××目的を確立し、それらが組織の戦略的な方向性及び組織の状況と両立することを確実にする。
- 組織の事業プロセスへの×××マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。
- ×××マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする。
- 有効な×××マネジメント及び×××マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。
- ×××マネジメントシステムがその意図した成果を達成することを確実にする。
- ×××マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を指揮し、支援する。
- 継続的改善を促進する。
- その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう、管理層の役割を支援する。

※ ×××には、品質、環境…etcといった名称が入ります。

すでにISOを取得の会社さんは頭がクラクラするかもしれませんね。移行期間が3年あるので、じっくりお取り組みいただくとよいでしょう。

【2015年4月25日 更新】