ISO14001:2015「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」の解説 【改訂3版】

ISO14001:2015 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

組織は、次の事項を決定しなければならない。
a) 環境マネジメントシステムに関連する利害関係者
b) それらの利害関係者の、関連するニーズ及び期待(すなわち、要求事項)
c) それらのニーズ及び期待のうち、組織の順守義務となるもの

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解 説

“環境マネジメントシステムに関連する利害関係者”には、地域社会、行政、株主、金融機関、顧客、所属業界団体、協力会社、社員といった人たちが該当すると考えられます。

どの立場の人たちまでを利害関係者に含めるか、彼らから寄せられる“ニーズ及び期待”の大きさや重要性を勘案して決めればよいと思います。

“ニーズ及び期待”には、順守義務があるものと、順守するかしないかが自社の主体性に任されているものの2種類があるということです。

順守義務があるもの、つまりc)は、具体的には、法律や顧客との取り決めといったものです。「6.1.3 順守義務」で管理方法を決めます。

我が社が事業活動を継続し、存続・発展していけるのも、上記の利害関係者との良好な関係があるがゆえです。

したがって、環境マネジメントシステムを作る際には、自社の都合や勝手な判断、思い込みに基づくのではなく、彼らが我が社に寄せる“ニーズ・期待”を考慮するよう求めているのです。

ISO14001取得のポイント

【必要な仕組み・ルール】
・自社で働く人たちには、どんな人がいるのか?
・環境に関わる利害関係者には、どんな人たち(団体)がいるのか?
・彼らが、自社に能力寄せるニーズ・期待には、どんなものがあるのか?
・それらニーズ・期待のうち、自社が絶対に守らなければならないことは何か?

を答えられるようにしておきましょう。口頭で答えても結構ですが、人によって答えがまちまちなのも、「組織としてニーズ・期待をきちんと把握できているの?」という話にもなりかねません。紙に書いておいたほうが便利でしょう。

【環境マニュアルの記載例】

“当社における環境上の利害関係者は、近隣住民、関係官庁、顧客、当社従業員、当社の作業現場で働く協力会社従業員、当社の作業現場に出入りする仕入先従業員である。”

“環境保全委員会は、毎年4月に、環境上の利害関係者のニーズ・期待をとりまとめ、「経営方針書」を通して全社員に発表する。”

といった文言をどこかに書いておきましょう。(あくまでも一例です。)

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