ISO22000:2018「5.2 方針」の解説

ISO22000:2018 5.2 方針

5.2.1 食品安全方針の確立
トップマネジメントは、次の事項を満たす食品安全方針を確立し、実施し、維持しなければならない。
a) 組織の目的及び状況に対して適切である。
b) FSMSの目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。
c) 食品安全に適用される法令・規制要求事項及び相互に合意した顧客要求事項を含む該当する食品安全要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
d) 内部及び外部コミュニケーションに取り組む。
e) FSMSの継続的改善へのコミットメントを含む。
f) 食品安全に関する力量を確保する必要性に取り組む。

5.2.2 食品安全方針の伝達
食品安全方針は、次に示す事項を満たさなければならない。
a) 文書化した情報として利用可能な状態にされ、維持される。
b) 組織内の全ての階層に伝達され、理解され、適用される。
c) 必要に応じて、関連する利害関係者が入手可能である

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解 説

ネットでと検索すると、色々な会社さんの食品安全方針が出てきますので、一旦そういったものを確認してから、この解説をご覧いただくとわかりやすいと思います。

「組織の目的」とは、簡単に言うと”業種業態”のことです。食品製造、ケータリング、輸送・保管等、自社の業種や扱う製品・サービスに見合った食品安全方針を立てます。

「FSMSの目標の設定及びレビューのための枠組み」とあります。FSMS目標を立てたり、一度立てたFSMS目標を見直したりするときの指針・参考になるような食品安全方針を立てます。

「コミットメント」は、“宣言”するという意味です。“食品衛生法等の法律を守り、お客さんの食品安全上の要望をかなえますよ~”的な意味のことを、食品安全方針の中で宣言しておきます。

「FSMSの継続的改善」とは、“PDCAを回して、食品の安全衛生レベルを段階的に向上させる”という意味です。やはり、そのような意味合いのことを、食品安全方針の中で声高らかにうたっておきます。

d)、f)では、「コミットメント」という用語は使われていませんが、“…食品安全に関する内部の情報共有と外部へ情報発信に努めます…” “…食品安全に必要な知識・技能を従業員に習得させます…”といった旨の表現を記述しておきます。

「文書化」とありますので、作った食品安全方針は紙に書いておきます。

食品安全方針は掲示するなり、配付するなり、社員の皆さんにお知らせした上で、自分の仕事の中で食品安全方針に沿った行動とは何なのかを理解させ、実際にその通りに行動させるようにします。

食品安全方針を、4.2の利害関係者が知ろうと思えば、知り得る状態しておくことが必要です。会社案内やホームページ等への掲載が一般的なやり方です。

ISO22000取得/移行のポイント

【必要な仕組み・ルール】
  • 5.2.1 a)~f)の条件を満たす食品安全方針を作る。
  • 作った食品安全方針は、紙で配る、ポスターで掲示する、食品安全マニュアルに掲載するなどして、社員に周知させる。
  • 会社案内やホームページ等にも掲載し、外部の人にもわかるようにしておく。

食品安全方針の端っこに、制定日を記入しておいてください。その後、食品安全方針の内容を変えたら、改定日も記入するようにしてくださいね。

【食品安全マニュアルの記載例】
“社長は、下記を満たす食品安全方針を制定する。毎年度末に、当社の経営方針や経営戦略に照らし合わせて、食品安全方針の内容が妥当かどうかを見直す。
a)…
b)…
以下、省略”

上記の太字部分をまとめれば、省略箇所は埋まりますよね。
わからなければ、こちらからお問い合わせください。喜んでお答えします。

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