ISO45001:2018「5.2 労働安全衛生方針」の解説

ISO45001:2018 5.2 労働安全衛生方針

トップマネジメントは,次の事項を満たす労働安全衛生方針を確立し,実施し,維持しなければならない。
a)労働に関係する負傷及び疾病を防止するために,安全で健康的な労働条件を提供するコミットメントを含み,組織の目的,規模及び状況に対して,また,労働安全衛生リスク及び労働安全衛生機会の固有の性質に対して適切である。
b)労働安全衛生目標の設定のための枠組みを示す。
c)法的要求事項及びその他の要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
d)危険源を除去し,労働安全衛生リスクを低減するコミットメントを含む(8.1.2参照)。
e)労働安全衛生マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。
f)働く人及び働く人の代表(いる場合)の協議及び参加へのコミットメントを含む。

労働安全衛生方針は,次に示す事項を満たさなければならない。
- 文書化した情報として利用可能である。
- 組織内に伝達される。
- 必要に応じて,利害関係者が入手可能である。
- 妥当かつ適切である。

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解 説

ネットで検索すると、色々な会社さんの労働安全衛生方針が出てきますので、一旦そういったものを確認してから、この解説をご覧いただくとわかりやすいと思います。

「コミットメント」は、“宣言”するという意味です。以下を労働安全衛生方針の中に宣言(記述)してください。
a)“労災を防止するため、安全で健康的な職場を提供します”的な表現
c)“労安衛法規や取り決めを守ります”的な表現
d)“危険が潜んでいる行為を除去し、労安衛リスクを低減させます”的な表現
e)“PDCAを回して、職場の労働安全衛生レベルを段階的に向上させます”的な表現
f)“労働者(代表)から意見を聴き、意思決定に役立てます”的な表現

そして、自社の業種や活動、規模に見合った労働安全衛生方針にしましょう。

b)「労働安全衛生目標の設定及びレビューのための枠組み」とあります。労働安全衛生方針は、労働安全衛生目標を立てたり、一度立てた労働安全衛生目標を見直したりするときの指針・参考になります。

「文書化」とありますので、作った労働安全衛生方針は紙に書いておきましょう。

労働安全衛生方針は掲示するなり、配付するなり、社内や作業現場に周知させます。

労働安全衛生方針を、4.2の利害関係者が知ろうと思えば、知り得る状態しておくことが必要です。会社案内やホームページ等への掲載が一般的なやり方です。

ISO45001取得/移行のポイント

【必要な仕組み・ルール】
  • 5.2.1 a)~f)の条件を満たす労働安全衛生方針を作る。
  • 作った労働安全衛生方針は、紙で配る、ポスターで掲示する、労働安全衛生マニュアルに掲載するなどして、社内や作業現場に周知させる。
  • 会社案内やホームページ等にも掲載し、外部の人にもわかるようにしておく。

労働安全衛生方針の端っこに、制定日を記入しておいてください。その後、労働安全衛生方針の内容を変えたら、改定日も記入するようにしてくださいね。

【労働安全衛生マニュアルの記載例】
“社長は、下記を満たす労働安全衛生方針を制定する。毎年度末に、当社の経営方針や経営戦略に照らし合わせて、労働安全衛生方針の内容が妥当かどうかを見直す。
a)…
b)…
以下、省略”

上記の太字部分をまとめれば、省略箇所は埋まりますよね。
わからなければ、こちらからお問い合わせください。喜んでお答えします。

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