ついこの間まで放送していたテレビドラマ『震える牛』(WOWOW)をご覧になりましたか?

仕入れ先の食肉加工会社が悪質な食品偽装を行っていたことが判明し、事件が明るみに出ないよう立ち回る大手スーパー役員の苦悩が描かれていました。

現在放送中のドラマにも面白いものがあります。『七つの会議』(NHK)です。
やはり、企業の不祥事がテーマです。

外注先に発注した部品の強度不足が判明し、親会社に納めた製品が結果的に不良品となってしまいました。

問題の製品は世界中の列車や旅客機に使用されていて、人命にかかわる大事故に発展しかねません。

この会社が選んだ道は組織ぐるみの隠ぺいです。

直近の放送回では、経営トップの命を受けた現場の管理職が偽装工作に奔走し、親会社の監査をすんでのところで乗り切っていました。

全く別なドラマなのに、両社に共通していることがあります。

不正が発覚するまでにかなりの時間が経過していた点です。

事実を公表しようにも、そんなことをしたら、即会社が倒産するくらいまで症状が進行していました。

痛くなった時にはもう遅い、あとは抜くしかない虫歯のようなものです。

被害が大きくならないうちに不正を発見できるよう、普段からチェック機能を働かせておくことが大切です。

ISOにも内部監査というチェック機能がありますが、組織的な不正には手も足も出ません。

どの会社のISOも基本的に性善説で仕組みを作っているからです。
誤って犯したミスには対応できますが、故意に犯した罪に対応できるような仕組みにはなっていません。

とは言っても、どこの会社でも口にはしませんが、不正が起きそうなポイントは重々承知しているものです。

「不正防止策を組み込むとしたら…」そんな視点でISOの仕組みを見直してみることも必要かもしれませんね。